第133章 七色ダイヤモンドカードでの鉄槌

意外なことに、青木朝音も手を差し出した。形だけの握手で、1秒も経たないうちに離れたが、それだけで北川蒼涼は狂喜した。

その後、彼は素早くその手を背中に回し、親指で手のひらを愛おしげになでた。まるでそこにまだ母上様の指先の温もりが残っているかのように、心地よい暖かさを感じていた。

北川倫慶はそれを見て、羨望と嫉妬の表情を浮かべた。彼も近づいてきて、自分では魅力的だと思っている笑顔を精一杯作り、自己紹介をしながら兄のように手を差し出そうとしたが、結果は…

彼が口を開く前に、青木朝音は帽子のつばを軽く押さえ、ゆっくりと彼を避けて通り過ぎた。両手をポケットに入れ、眉を軽く上げながら、宮北一馬と宮本黛璃の方へ歩いていった。

北川倫慶の笑顔は凍りついた。言いようのない失望と悔しさで、短気な性格がまた抑えきれなくなりそうだった。