「ここの看板メニューは実は炒飯だって聞いたんだけど、もう一つ炒飯を注文しない?私は料理4品じゃ足りないと思うんだけど!」
青木誠司は目を輝かせながら青木朝音に向かって言った。
「食べたいなら注文すればいいわ」
青木朝音はリスの魚を少し味わってみた。竜野艶子が作ったものとどう違うのか見てみたかったのだ。一口食べてすぐに違いが分かった。それはスパイスの違いだった。
これらの料理が香り高く美味しいのは、すべてスパイスのおかげと言える。
このようなスパイス...特に大きな害はないが、食べ過ぎは結局良くない。
そして本当の美味しさは、何の添加物も必要としないものだ。
青木朝音はすぐに食欲がなくなった。青木誠司と後藤雪夜があんなに美味しそうに食べているのが不思議だった。
「朝音さん、どうして食べないの?」後藤雪夜は心配そうに尋ねた。
「あまり美味しくないわ」青木朝音は正直に答えた。
青木誠司はすぐに奇妙な目で彼女を見た。「まさか、美味しくないって思ってるの?味覚に問題があるんじゃない?」
これは明らかに爆発的に美味しいのに。
突然、写真を撮っていないことに気づいた青木誠司は急いで箸を置き、スマホを取り出していくつか写真を撮って、SNSに自慢げに投稿した。
彼は権限設定をしていたので、父親や祖父に見られる心配はなかった。アクセスが禁止されていたからだ。
「朝音さんが食べないなら、私も食べないわ」
後藤雪夜はまだ食べたかったが、青木朝音が食べていないのを見て、彼女に付き合うべきだと思った。
「気にしないで、食べたいなら食べなさい、いい子ね」
青木朝音は小動物をなでるように後藤雪夜の頭をなでた。後藤雪夜は目を細めて満足げな表情で彼女の手のひらに頬をすりよせた。
青木誠司は驚いて顎が落ちそうになった。「うわっ、お前ら二人まさかカップルなの?」
そして慌てて頭を下げ、黙々と食べ始めた。「何も見てないよ、絶対に口封じのために殺さないでね」
「何を言ってるの、ご飯を食べなさい」青木朝音はイライラした様子で言った。
炒飯が運ばれてくると、青木朝音はただ匂いを嗅いだだけで、箸をつけなかった。
青木誠司の表情は非常に大げさだった。「ママミア、さすが看板メニュー、本当に美味しいよ!」