第184章 味は普通だけど

「お客を外に押し出すのが、蓮の庭のおもてなしというわけですか？」

青木朝音は傲慢な眉を上げ、心の中で「くそっ」と呪った。運が悪すぎる、こんなに簡単に真田千晴と彼女の妹に出くわすなんて？この二人はいつもここにいるのだろうか？

青木誠司は知り合いに、それも蓮の庭の主人に出くわしたのを見て、すぐに身を翻したが、考え直して、朝音さん一人に対応させるのは義理が立たないと思い、再び体を戻した。

「雨美、ふざけないで。青木お嬢様がわざわざ来てくださったのだから、きちんとおもてなしするべきよ。青木お嬢様、食事券をお見せいただけますか？すぐに個室へご案内します。」

真田千晴が歩み寄って叱りつけ、それから微笑みながら青木朝音を見た。態度はとても友好的に見えた。

青木朝音は食事券を取り出して彼女に渡したが、冷たくもなく熱くもない態度だった。結局、真田千晴は忘憂のふりをしていたのだから、彼女に好感を持てるはずがなかった。