厳谷お爺さんは容赦なく彼を押しのけ、素早く携帯を取り出して人を呼び、細心の注意を払ってそのスイカホウカンテイの鉢を持ち帰らせた。
それは最高級の蘭の花だったので、厳谷お爺さんは嬉しくて早速写真を撮って友達グループやウェイボーで自慢したいと思った。
「朝音ちゃん、私も欲しいな」向井のお爺さんも寄ってきて、哀れっぽく言った。
「愛しい孫娘よ、私も欲しい」青木のお爺様も負けじと言った。
村田お爺さんは横から冷や水を浴びせるように言った。「お前たち二人は蘭を育てた経験がないだろう。そんな極上の蘭の花を枯らしてしまうのが怖くないのか?」
確かにそうだと思い、二人のお爺さんはすぐに黙った。
やめておこう、もし枯らしてしまったら大変な罪だ。
青木朝音は少し考えてから言った。「こうしましょう。おじいちゃんと向井おじいちゃんは翡翠蘭を一鉢ずつ育ててみてください。翡翠蘭は値段も安いし育てやすいので、万が一枯らしてしまっても、お二人が罪悪感を感じる必要はありません。どうせ翡翠蘭はたくさんありますから」