第217章 こんな気持ち悪い言葉とこんな醜い字

伊藤欣禾は一瞬呆然としたが、すぐに激怒した。「彼女は何を言ってるの?私の兄が彼女をレイプしたと言って逆に噛みついてくるつもり?ふざけんな、なんてあつかましいんだ!」

知らなかったことだが、伊藤航太は「レイプ犯」という言葉を聞いた時、目に一瞬の動揺が走ったが、すぐに落ち着きを取り戻した。

そんなはずがない!

あの事件はもう二年も前のことで、しかも誰も自分がやったことを知らないはずだ。青木朝音がそれを知っているはずがない。

明らかに気取って、注意をそらそうとしているだけだ。

青木朝音は最初、伊藤航太がそんなことをしていたとは知らなかったが、昨日彼が青木愛茉とこそこそしているのを見て、何か悪だくみをしていると思った。

そこで、青木朝音は井上九に伊藤航太の素性を調べてもらったところ、この調査で彼の過去の悪事まで明らかになった。

驚いたことに、二年前に世間を騒がせた少女への猥褻事件で、伊藤航太が主犯の一人だったのだ。

四人の男が十四歳未満の少女に猥褻行為をしたが、四人とも目出し帽をかぶっていて、監視カメラの映像も破壊され、証人も物的証拠もない状況で、四人は法の裁きから逃れることに成功した。

それから二年間逃げ続け、このまま何事もなく過ごせたはずだったが、伊藤航太は自ら災いを招き、関わるべきでない人に手を出した。これも自業自得と言えるだろう。

もちろん、青木朝音もこのような畜生を見逃すつもりはなかった。

昨夜、権州警察署は既に有力な証拠を受け取り、さらなる調査を経て、ほぼ容疑者を特定した。今は四人の容疑者を逮捕するだけだ。

階下に来ると、伊藤欣禾は急いで青木のお爺様のそばに駆け寄り、告げ口をした。「青木おじいさん、ちょうどいいところに来てくださいました。あなたの大事なお孫さんが何をしたか見てください!」

「どうしたんだ?」青木のお爺様は困惑した表情を浮かべた。

伊藤欣禾は言った。「彼女が私の兄にこんなラブレターを書いたんです。ご自分で見てください。そして先ほど、恥知らずにも兄を誘惑したんです。兄が同意しなかったら、彼女は兄の手をほとんど折りそうになって、さらに蹴りも入れました。信じられません!」