第235章 オークションで真田千晴の忘憂の身分を暴く(11)

宮北一馬も顔中に軽蔑の色を浮かべ、北川蒼涼と北川和蒼を見る目は知恵遅れを見るような目つきだった。彼自身がまもなく知恵遅れになることも知らずに。

「社長、本物の忘憂の匂い袋のオークションはもう終わりました。あの小僧を今解放しましょうか?」彼のボディガードの一人が彼の隣に立ち、声を潜めて彼の耳元で尋ねた。

「解放しろ」

宮北一馬は無関心に言った。どうせ彼は北川麟兎に何かするつもりはなかった。北川蒼涼が忘憂の匂い袋の競りに参加せず、偽物を買ったのだから、これでいいだろう。

彼は北川倫慶が偽の忘憂の匂い袋を身につけて、あとどれくらい生きられるか見てみたいと思った。本当に楽しみだ。

青木朝音は感謝の眼差しを北川和蒼に向け、自ら新しいデザインの匂い袋を彼に手渡し、心を込めて言った。「助けを必要とする子供たちに代わって、あなたに感謝します」