第238章 肩書きを取り戻す(2)

「皆さん、気づきましたか?強化版の匂い袋こそが三年前のあの光る匂い袋と全く同じものです。明らかに、これこそが同じ人が刺繍したものなのです」

「光る刺繍なんて、初めて聞きましたし、初めて見る機会に恵まれました。これはあまりにも神秘的ですね!」

「皆さん、よく見てください。あれは単に光るムクゲの花だけではないようです。文字があるようです。私は『福』の字が見えたような気がします」

「私は『安』の字と『康』の字が見えました」

「私はなぜか二つの『寿』の字が見えるのですが?」

合わせると、まさに「福寿安康」ではありませんか?

余分な「寿」の字は、老人が持っていた匂い袋のものでしょう。他の三つの字が刺繍された匂い袋は、三年前に忘憂を買った人たちの手元にあるはずです。

そして新しいデザインの匂い袋の袋にはこの四文字が刺繍されていますが、光ってはいないものの、同じく錦繍で作られています。