第255章 青木朝音は英語が話せる

青木朝音は彼が自分のライターが安すぎるから彼女のものと交換したのではないかと真剣に疑っていた。結局、彼女のライターは少なくとも99元はする。

古川松陰のは恐らく9.9元で送料無料だったかもしれない。そうなら彼は本当に得をしたことになる。

しかし彼女が古川松陰のライターを見たとき、少し驚き、すぐにネットでその価格を検索した。そして少しぞっとした。

限定版で、非常に高価だった。

価格は6桁。

青木朝音の頬は少し赤くなった。どうやら彼女は小人の心で君子の腹を測るべきではなかったようだ。ケチな人でも気前の良いときがあるのかもしれない?

こんなに高価なライターを手に持つと、重みを感じるとともに、心の中で何故か...甘い感覚が湧いてきた。

青木朝音は目を細め、ライターをしっかりとしまった。

……

翌日、権州第一高校。

青木朝音が校門に着いたとき、ちょうど厳谷君彦と出くわした。しかし青木朝音は見て見ぬふりをし、見知らぬ人以上に無視して、両手をポケットに入れ、だらしなく教室棟へ向かった。

厳谷君彦はバックパックをかっこよく肩に斜めがけし、無表情で歩いていたが、目は思わず青木朝音の後ろ姿を追い、表情は少し呆然としていた。

一人の人間の変化がこれほど大きいものなのだろうか?

さっき彼女と顔を合わせたのに、彼女は彼に視線の端すら与えず、まるで彼が目立たない通行人であるかのようだった。

以前なら、厳谷君彦は彼女に自分から離れてほしいと願い、花火を上げて祝うほどだったかもしれない。しかし今は何故か、厳谷君彦の心はイライラし始めていた。

言葉にできないほど複雑な気持ち。

しかし幸いなことに、青木朝音は彼の心の中ではまだテストで最下位の落ちこぼれだった。最近彼女はよく授業をサボり、職業高校の不良、深井鷹行と親しくしているという噂もあった。

それを考えるだけで、厳谷君彦は思わず嫌悪感で眉をひそめ、足早にAクラスの教室へ向かった。

今日の授業で、青木朝音はいつものようにノートを取り、とても真剣に取り組んでいた。英語の授業では、英語教師が純粋に思いつきで青木朝音を指名し、教科書の一節を音読させた。

彼女が単語を間違えたり、発音が標準的でなかったり、あるいは単に「できません」と諦めると思っていたが、予想外にも……