第254章 古川松陰は青木朝音のライターを盗んだ？

青木朝音が家に帰った時、付け髭とかつらを外したが、男装のままで着替える暇がなく、あるケチ様に見られてしまい、彼は少し好奇心を抱いた。「これは誰の服を着ているんだ？」

彼の目には笑みが浮かんでいたが、瞳の奥には骨まで刺すような冷たさがあり、青木朝音が誰か野良男の服を着ていると思ったのだ。

「何か文句でも？」

青木朝音は眉を上げて問い返し、すぐに部屋に入ってゆったりとした快適な服に着替えて出てきた。すると古川松陰がまた彼女のカップで水を飲んでいるのが見えた。

「ねえ、あなたの家にはカップもないの？」青木朝音は自分がもう一つカップを買う必要があると感じた。そうしないと...ちっ。

古川松陰は厚かましく、唇の端を上げて悪戯っぽくセクシーな笑みを浮かべた。「君の家の水の方が甘いんだよ。」

青木朝音は軽く鼻で笑い、視線を下げて彼の半開きのシャツに落とした。爆発的な力強さを秘めた堅実でセクシーな胸板が、かすかに空気中に露出していた。

さらに彼がソファの背もたれに腕を広げる動作に合わせて、肌の露出はより明らかになった。

これは計画的に彼女を誘惑して罪を犯させようとしているのだろうか？

まるで呼びかけているようだ：おいで、早く私を引き裂いて〜

青木朝音は我慢できず、額に手を当てた。「ちゃんと服を着ることできないの？」

「どうしたの？何か問題でも？」

古川松陰はますます邪悪で魅惑的な笑みを浮かべ、深い瞳には愛情が溢れ、彼女の赤らんだ頬を一瞬も目を離さずに見つめ、厚かましく尋ねた。

青木朝音はまた洗面所に逃げ込みたくなったが、今回は我慢した。彼女は彼と勝負して、誰がより恥知らずかを決めることにした。

そこで、青木朝音は突然軽く笑い、わざとオオカミの口笛を吹き、挑発するように眉を上げた。「あなた、すごくセクシーね。」

そして何事もなかったかのように別のソファに座り、だらしなく足を組んで、ライターを取り出して手の中で弄び始めた。まるで放蕩な御曹司のように見えた。

古川松陰は一瞬驚いたが、すぐに座り方を変え、もう一方の腕もソファの背もたれに置き、大物のように寄りかかった。目には魅惑的な遊び心が閃き、目を細めて一言一言はっきりと言った。「君だけにセクシーなんだ。」