第252章 九斗の病状が好転した

「うんうんうん、蒼涼お兄ちゃん、私、本当に良くなったよ。口髭のおじさんってすごいね」

九斗は今、息も切れずに話せるようになり、青白かった小さな顔が目に見えるほどの速さで赤みを帯び、全身から生き生きとした生命力が溢れていた。

彼は病魔に勇敢に打ち勝ったのだ。

林田芸乃歩は手に持っていた携帯を「ぱたり」と床に落とし、すぐさま駆け寄って九斗の肩を支え、興奮しながら彼を頭からつま先まで見つめ、声には涙が混じりながら何度も尋ねた。

「本当に良くなったの?どこか具合の悪いところはない?早くママに教えて」

九斗は首を横に振り、そして頭上の太陽を見上げ、それを指さしながら無邪気に言った。「ママ見て、太陽さんって全然怖くないんだよ。今は全然怖くないよ」

それを聞いて、林田芸乃歩は感動のあまり泣き出した。喜びのあまり、声を上げて泣いた。

彼女は九斗が一生太陽を見ることができないと思っていた。一生暗くて狭い部屋で生きていかなければならないと思っていた。でも今日、奇跡が起きた。一気に九斗の世界を明るく照らし、母親である彼女の人生も明るくしたのだ。

「よかった、あなたが大丈夫で本当によかった」林田芸乃歩は息子をきつく抱きしめた。あまりにもきつく、九斗はほとんど息ができないほどだった。

「そんなにきつく抱きしめないで。また具合が悪くなるよ」青木朝音は注意した。

林田芸乃歩はびっくりして急いで九斗を離し、恥ずかしそうに青木朝音を見た。顔を赤らめ、とても申し訳なさそうだった。「ごめんなさい、あなたが本当に九斗を治せるとは思っていなくて、私は…」

「理解できます」青木朝音は当然彼女を責めなかった。結局、これは母親が息子を守るためにすべき行動だった。とても自然なことだ。

「じゃあ、九斗の病気は…本当に完全に治るんですか?」

林田芸乃歩はすでに希望を見出していた。結局のところ、九斗は今、太陽の光を浴びることができるようになった。これは良い兆候だった。

青木朝音はうなずいた。「治ります。ただ、毎日太陽の光を浴びる必要があります。夜は薬湯に浸からせてください。後で処方箋を書きますので、それに従って薬を集め、煎じて彼に毎日20分間浸からせてください。連続で7日間です」