厳谷究と向井涼太、そして村田雲平は傍らに座って騒ぎを見物していた。向井涼太は笑いながら冗談めかして言った。「どうやらアオピエ……いや違った、アオピーは本当に何でも言っちゃうんだな。でも今の彼女の様子を見ると、かなり自信があるように見えるけど、本当に書道を知っているのかな?」
村田雲平は気にせず笑って言った。「知っていたとしても、どうだというんだ?若いくせに、まさか古川先生のような書道の大家より上手いとでも?」
「つまり、青木朝音はまた見栄を張って適当なことを言っているってことか?でも彼女の様子を見ていると、そうは思えないんだけどな」
なぜかわからないが、青木朝音が極光とAsaという二つの別名を持っていることを知ってから、向井涼太は青木朝音がただ者ではないと感じるようになっていた。