第283章 忘憂の大規模な正体バレ現場(6)

昨夜、古川松陰は青木朝音の家に水を飲みに行く口実を作ったが、長い間ドアベルを鳴らしても誰も出てこず、彼女の電話も電源が切れていることを示していた。これは本当に古川松陰を心配させた。

彼女はどこかに遊びに行ったのかもしれないと思った。結局、彼女の年齢では遊ぶのが好きなのは当然のことだ。そこで古川松陰はずっと玄関の前に座って待っていたが、夜明けまで待っても青木朝音は戻ってこなかった。そこで彼はようやく事態の深刻さに気づいた。

彼は急いで古川木に青木朝音の行方を調べさせたが、今回は何も見つからなかった。しかしそのとき、見知らぬ人からのメッセージを受け取った。通常なら無視するところだが、メッセージの内容は青木朝音に関するものだった。

【あなたの愛する人は南区警察署に拘留されています。】

最初は誰かのいたずらだと思ったが、偶然にも携帯電話で配信されたニュースを見た。彼が写真の中のある人物を見たとき、一瞬驚きの表情を浮かべ、すぐに眉をひそめた。

いわゆる「強姦犯」が着ている服は、前回青木朝音が着ていた男装の服ではないか?雰囲気までもが不思議なほど似ている。

彼が写真を拡大し、その艶やかな桃花眼をはっきりと見たとき、さらに確信した。なんと本当に彼の妻が男装していたのだ!

そのメッセージの内容と合わせて考えると、古川松陰の表情が急変し、低く「くそっ!」と呪った。

その後、彼は急いで南区警察署に向かった。この瞬間の古川松陰は全身に凶暴な気配を漂わせ、目は血走ったように赤く、まるで怒りの境界線を歩くライオンのようだった。

くそっ、彼の大切な妻を拘留するとは、死にたいのか!

……

同時に、取調室内。

木下進一は嘲笑い、義憤に満ちて言った:「まず自分のことを心配しろ。破滅するのは、お前のような獣以下の強姦犯だ。早く言え!犯行の動機と経過を、すべて正直に白状しろ!」

青木朝音は笑い出し、椅子の背もたれに体を預け、だらしなく目を細めて反問した:「あなたが一番よく知っているんじゃないですか?」

そのとき、「バン」という音とともに、取調室のドアが誰かに蹴り開けられた。続いて、高くてすらりとした影が、まるで地獄の修羅のように冷たい殺気を纏い、勢いよく部屋に入ってきた!