青木愛茉は甘く無邪気に笑って、「本気です、いいですか?」
「いいよ、じゃあ行こうか」
竜野佳宝は気さくな様子で、青木愛茉を連れて箏のある場所へ歩いていった。しかし、そこには一台の箏しかなかったので、侍者にもう一台持ってくるよう頼んだ。
「何を弾く?あなたが決めて」竜野佳宝は青木愛茉に十分な面子を与えた。
青木愛茉は心の中で喜び、「十面埋伏でもいいですか?」と言った。
これは彼女が最も得意とする、最も上手に弾ける曲だった。
「問題ないわ」
竜野佳宝は軽く頷き、すぐに両手を弦の上に置いて、何度か適当に弾いて音を調整した後、青木愛茉に目配せして正式に演奏を始めた。
「わあ、竜野お嬢様も箏が弾けるんだ!」
「あの青木家の娘も弾けるのか?でも...彼女が弾いているのは一体何なの?竜野お嬢様のリズムについていけてないみたいだね」