第309章 全国統一試験がやってくる【2000字】

青木愛茉はこの頃、毎晩学校から帰ると自分の部屋に閉じこもって一生懸命勉強を復習していた。全国統一試験まであと数日と迫っており、油断するわけにはいかなかった。

彼女は必ず九領第一、つまり全国一位の好成績を取らなければならない!

たとえ厳谷君彦のような超絶秀才でも、彼女は彼を上回ってみせる!

彼女には全ての人を打ち負かす自信がある!

彼女は一躍注目を浴び、厳谷君彦を含む全ての人に刮目させてやるのだ。

厳谷君彦は今彼女を無視しているじゃない?彼女が全国一位という異常な成績を取れば、厳谷君彦がまだ彼女に冷たくできるはずがない。きっと彼も彼女を見直すに違いない。

そう考えるだけで、青木愛茉の唇の端は思わず上向きに曲がり、その日の到来を期待していた。

同時に、北川麟兎も家で一生懸命勉強していた。今回の試験で厳谷君彦を超えて、母上様に自分が実は優秀な子供だということを見せたかったからだ。