翌日、今日は英語と理科総合の試験だった。青木朝音は昨日の数学の時と同じように、早々と解答用紙を終わらせると、机に伏せて大いびきをかいて眠ってしまった。
それは再び試験監督の先生と厳谷君彦から、嫌悪と軽蔑の視線を浴びせられる原因となった。
厳谷君彦は確信していた。今回も青木朝音は間違いなく学年最下位だろうと。
やはりあんな人間は性根が変わらない。試験になるとすぐ寝てしまう。作曲ができてビリヤードが上手くたって何になる?学業成績が悪いことはさておき、あの態度だけでも厳谷君彦は心底軽蔑していた。
視線を戻すと、厳谷君彦は問題を解き続けた。今回の理科総合の試験問題はかなり難易度が高く、万全を期すために彼は全ての問題を再度確認していた。
試験が全て終わると、みんなは重荷から解放されたように安堵のため息をつくと同時に、嘆きの声が響き渡った。口々に今回の共通試験の難しさについて不満を漏らし、予想をはるかに超える難易度だったため、650点以上取れる人はほとんどいないだろうと言われていた。