翌日、今日は英語と理科総合の試験だった。青木朝音は昨日の数学の時と同じように、早々と解答用紙を終わらせると、机に伏せて大いびきをかいて眠ってしまった。
それは再び試験監督の先生と厳谷君彦から、嫌悪と軽蔑の視線を浴びせられる原因となった。
厳谷君彦は確信していた。今回も青木朝音は間違いなく学年最下位だろうと。
やはりあんな人間は性根が変わらない。試験になるとすぐ寝てしまう。作曲ができてビリヤードが上手くたって何になる?学業成績が悪いことはさておき、あの態度だけでも厳谷君彦は心底軽蔑していた。
視線を戻すと、厳谷君彦は問題を解き続けた。今回の理科総合の試験問題はかなり難易度が高く、万全を期すために彼は全ての問題を再度確認していた。
試験が全て終わると、みんなは重荷から解放されたように安堵のため息をつくと同時に、嘆きの声が響き渡った。口々に今回の共通試験の難しさについて不満を漏らし、予想をはるかに超える難易度だったため、650点以上取れる人はほとんどいないだろうと言われていた。
特に理科総合の問題は難しすぎて、人生を疑うほどだった。
青木朝音はまたもやベルの音で目を覚まし、全身から倦怠感を漂わせていた。解答用紙を提出すると、すぐに試験会場を後にし、一切の未練を見せなかった。
北川麟兎はいつものように彼女を待っていたが、今日は少し様子がおかしかった。北川麟兎の顔から笑顔が消え、憂鬱そうな表情をしていた。どうやら試験がうまくいかなかったようだ。
「どうしたの?」青木朝音は心配そうに尋ねた。
北川麟兎は口をとがらせ、少し落ち込んだ様子で言った。「理科総合で一問解けなかったんだ。その問題、15点分あったのに。」
「簡単だったじゃない?」
青木朝音は少し驚いて眉を上げた。彼女は20分で全部解き終えていて、どこかの小学生が出した問題なのかと、全く難しくないと文句を言ったほどだった。
「簡単?」北川麟兎は目を丸くして怒った。「どこが簡単なんだよ?超超難しかったよ!」
ふん、母上様はきっと問題も見てないんだろう?実際すごく難しかったのに。
すぐに呆れた表情になり、「まさか、また寝てたんじゃないだろうな?」
青木朝音はうなずいた。「うん。」
北川麟兎はすぐに「やっぱりか」という表情を見せた。「でも全部書いたの?」