青木朝音は怠惰な口調で言った。「やり終えたよ。」
北川麟兎は一瞬固まった。寝ていてもやり終えられるの?ダメだ、きっとでたらめに書いたんだろう。
すぐに彼女に対して歯がゆさを感じ、もう一度叱りつけようとしたところ、青木朝音が言った。「行こう、ご飯食べに。お腹すいた。」
青木朝音はパーカーの紐をきつく引き締め、両手をポケットに突っ込み、誰にも媚びない足取りで階下へ向かった。
北川麟兎はぴょこぴょこと彼女の後を追い、絶え間なくおしゃべりを続けた。
「今日の数学のテスト、ちょっと難しかったよね。特に最後の選択問題、すごく長い時間かかったけど、なんとか正解を出せたよ、ははは。」
青木朝音は彼を横目で見て、興味深そうに尋ねた。「じゃあ、AとBのどっちを選んだの?」
北川麟兎は自信満々に答えた。「もちろんBだよ、絶対Bだよ。」