第326章 魔王あさね大型身バレ現場(1)

「ほら、これがあなたのクラスの成績表よ、自分で見てみなさい。」

校長は昨日印刷しておいた成績表を木村琢真に渡したが、木村琢真はまだ間もなく退職することの悲しみに浸っていて、手を伸ばして受け取ろうとしなかった。校長はしかたなく続けて言った。

「君のFクラスは今回の平均点が一位だよ、非常に素晴らしい。もし大学入試でもこんな良い成績を収められれば、来年の優秀教師という栄誉は間違いなく君のものだろうね。」

その言葉を聞いて、元々うなだれていた木村琢真は急に顔を上げ、呆然と校長を見つめ、状況が全く理解できずに言った。

「校長、今なんと言いました?私のクラスの平均点が一位?本当ですか?冗談を言わないでください。そんなことあり得ませんよ!」

「信じられないなら、自分で見てみなさい。」

校長は呆れながらも面白そうに成績表を彼の上に投げ、そして振り返って自分の事務机に戻った。

木村琢真は呆然と表を手に取り、彼の視線は無意識に最下位を見た。青木朝音の名前があると思ったが、そこにはなかった!

そこで、彼はゆっくりと上に目を移し、中間の順位まで見たが、まだ青木朝音の名前は現れなかった。

木村琢真は不思議と精神が高揚し、まるで希望を見たかのように、思わず呼吸が速くなった。

両手で表をしっかりと握り、彼は自分の体が緊張しているのを感じながら、ゆっくりと中間順位から上を見ていった。10位まで見ても、まだ青木朝音の名前は出てこなかったが、後藤雪夜の名前が8位にあるのを見つけた。

ふぅ——

木村琢真は思わず息を飲んだ。この生徒は前回の試験ではまだ下位の順位だったのに、たった1、2ヶ月足らずで、一気にトップ10に入ったのか?

そして、後藤雪夜と青木朝音は同じ席だったことを思い出した。後藤雪夜がこれほど急速に進歩したのは、青木朝音のおかげなのだろうか?

だとしたら……青木朝音の成績は……

木村琢真の背筋がさらに伸びた。彼は明らかに背中から汗が出始めているのを感じた。純粋に緊張と興奮からだった。

さらに上を見ていくと、ようやく北川麟兎の名前を見つけた。彼がクラスの一位だと思っていたが、実際は二位だった。では一位は……