「五番目、お前は母上様が試験中ずっと寝ていたって言ってなかったか?それでも全科目満点の成績を取れるなんて?」北川蒼涼は驚きを隠せなかった。
北川麟兎自身も予想外だった、彼もまだ呆然としていた。「母上様がこんなに凄いなんて知るわけないじゃないか。」
そして急に狂喜して笑い出し、興奮して言った:「なんと母上様は今まで落ちこぼれのふりをしていたんだ、実は彼女は秀才!いや、超絶天才だ!」
北川和蒼は心の中で冷ややかに笑った、当たり前だろ、魔王あさねを知らないのか?
やはり、母上様は彼の誇りだ!
「今日から、僕のナンバーワンアイドルは母上様だ。」
北川倫慶は興味津々に言い、そして携帯を取り出して母上様にメッセージを送るべきか迷っていた、彼女を祝福したかった。
北川蒼涼も興奮して母上様にメッセージを送りたい、できれば電話したいと思ったが、こんな遅い時間だと考えると、母上様の休息を邪魔しない方がいいだろう。
「遅いから、みんな部屋に戻って寝よう、母上様を邪魔しないでおこう、彼女はきっともう寝ているだろう。」長男の北川蒼涼が言った。
兄弟たちは仕方なく携帯をしまい、それぞれの部屋に戻った。
北川倫慶と北川和蒼は幸せだった、なぜなら母上様の匂い袋が彼らと一緒だったから、毎晩とても甘く眠れ、翌朝目覚めた最初の瞬間は匂い袋を見て、北川倫慶は愚直に匂い袋に向かって「母上様、おはようございます。」と言うのだった。
……
厳谷君彦もつい先ほど成績を確認し、自分が学年で2位だと知った時、少し呆然とした。
正直に言うと、彼は今まで2位になったことがなく、常に学年1位だったのに、今回は2位になってしまった、これは誰かの総合点数が彼を超えたということだ!
今回の共通試験の難易度は想像に難くない、しかし彼は自分の出来はまあまあだと思っていた、点数も自分の予想通りで、732点、これはすでにかなり高い点数だった。
全国九領ランキング2位。
しかし思いもよらなかったのは、誰かの総合点数が彼を超えていたこと、そしてその人はまだ同じ学校の生徒だった。
最初は北川麟兎が彼を超えたのかと思ったが、人に聞いてみるとそうではなかった、その後青木愛茉に聞いても違った。
ならばこの人は間違いなくダークホースだ。