第328章 魔王あさね登壇スピーチ、身バレ現場(1)

午後、校長は青木朝音を校長室に呼び出し、お茶を出すなど非常に親切にもてなし、優しい笑顔で朝音を見ながら言った:

「青木朝音さん、私が勝手に決めてしまったのだが、明後日の午後に魔王あさねとしてと塚本零士として壇上でスピーチをしてもらいたいのだが、怒らないでくれるかな?」

朝音は校長から渡された使い捨てのカップを持ち、一口水を飲んで、驚いて眉を上げた。「どうして私が塚本零士だとわかったのですか?」

彼女は校長という老狐がかなり神通力を持っていることに気づき、彼女のこの隠された身分さえも知っていたことに驚いた。

校長は神秘的に微笑み、もともと小さかった目がさらに細くなり、確かに狐のようだった。「噂によると、あなたの身分はかなり多いようですね。しかも、どれもこの...!」

「この」と言った時、策略に長けた校長は彼女に親指を立て、輝く賢明な瞳には賞賛と崇拝の色が満ち、誇りに思っているようだった。

「でも、私が身分を明かしたくないならどうしますか?」

朝音は校長がかなり多くのことを知っていることに本当に驚き、意地悪く目を細めて言った。

校長は一瞬戸惑ったが、すぐに優しい声で説得し始めた。「もしあなたが身分を明かさずに皆を納得させなければ、おそらく皆はあなたが共通試験でカンニングしたと思うでしょう。そうなると噂が広がり、あなたに影響が出ることを心配しています。」

朝音は気にせず唇を曲げて笑った。「私はそんなこと全然気にしませんよ。」

しかし校長は困った顔をして、「でも私はもう話を出してしまったし、あなたがスピーチをしなければ、私のこの老いた顔は...」

ここまで言って、校長は突然姿勢を低くし、へりくだって少し哀れっぽく言った。「それとも...マスクをして、魔王あさねとしてスピーチに登壇しますか?その時に私があなたが今回の試験で全くカンニングしていないこと、カンニングできるはずがないことを証明する方法を考えます!」

「それって...本当にいいんですか?」

朝音は頭を抱えて困った様子だった。彼女は実際、他人の見方など全く気にしておらず、カンニングしたかどうかなど関係なかった。