「黙りなさい!もうでたらめを言うな!」校長は怒鳴ったが、一部の人々からすれば、校長は恥ずかしさのあまり怒っているように見えた。
そのとき長谷真理が再び飛び出し、さらに火に油を注ぐように言った。「校長は最初から青木朝音をかばっているようですね。そうでなければ、なぜ青木朝音は一度退学処分を受けたのに、一中に転校できたのでしょう?
今、青木朝音が共通試験でカンニングしたことを知って、彼女に魔王あさねを装って演説させようとしている。そうすれば皆が彼女はカンニングしていないと信じるでしょう。だって、魔王あさねほど優秀な人がカンニングするわけがないですよね?」
山田蘭華も急いで立ち上がり、非常に怒った様子で校長に詰め寄った。「校長、これは本当なのですか?あなたは青木朝音と共謀していたのですか?一体なぜですか?もしかして青木朝音があなたを買収したのですか?」
「でたらめを言うな!」
校長は怒りに震え、胸が激しく上下し、あまりの怒りで老いた顔を真っ赤にしながら、急いで壇上に駆け上がり、マイクに向かって言った。「皆さん、静かに!」
会場が徐々に静まり返ると、校長は続けた。「そうです、青木朝音さんは魔王あさねなのです!青木朝音さんが自分の身分を明かしたくなかったので、私は彼女にマスクをつけて演説させようとしました。それが悪意ある人に聞かれて誤解されたのです。私はここで校長としての人格と名誉をかけて保証します。青木朝音さんこそが本物の魔王あさねであり、偽物ではありません!」
言葉が終わるや否や、会場は騒然となった!
皆、あまりの衝撃に言葉を失った。
なに?
青木朝音が魔王あさね?本当なの?
「校長は嘘をついています!皆さん、絶対に信じないでください!青木朝音は魔王あさねを装っているだけです!彼女にはその資格はありません!」唐田悦子は興奮して叫んだ。
A組の列に座っていた青木愛茉は満足げに唇を曲げた。唐田悦子の戦闘力が予想以上に高く、実際に校長に反抗する勇気があるとは思わなかった。彼女は間違いなく適任者を選んだようだ。
今日こそ、あの青木朝音という賤人がどう収拾するか見ものだ!
たとえ青木朝音が校長の言う通り本物の魔王あさねだとしても、今のこの状況で誰が信じるだろうか?