「じゃあ誰に頼めばいいんだよ?」厳谷究はイライラして言った。「とりあえず借りとけ」
「うせろ、借りるなんてできねえよ!」向井涼太は思わず言ってしまい、すぐに後悔した。
やばい、厳谷究は絶対に自分を選ぶだろう……
案の定、厳谷究は歯を食いしばって言った。「じゃあお前だ」
向井涼太:「……」
俺はマジで自分で掘った穴に自分で落ちたわけだ。
「早く壁ドンしてこいよ、声を大きく出すのを忘れるなよ」村田雲平は興味を持ち始め、急かした。
そして仕方なく、厳谷究は本当に向井涼太を壁に押し付けた。向井涼太は自分が受け役みたいで気分が良くなかったので、位置を交換しようとしたが、しっかりと押さえつけられてしまった。
厳谷究は背が高く、向井涼太より半頭分ほど高かったので、壁ドンのポーズもそれほど違和感はなかった。
この瞬間、二人の顔は血が滴り落ちそうなほど赤くなり、頭をくっつけて奇妙な声を出し始めた……
「んん……おぉ……あぁ……」
主に向井涼太が叫んでいた。彼の方が厚顔無恥だったからだ。一方、厳谷究は顔を真っ赤にして、やっと一つの奇妙な音を絞り出した。
「ぷっ、ははは死ぬほど笑える……」
いつも落ち着いている村田雲平でさえ、前後に体を揺らして笑っていた。真田千晴も口を押さえて笑い、少し見るに耐えないという表情をしていた。
「おい厳谷さん、なんで声出さないんだよ。俺だけが叫ぶなんて恥ずかしいだろ?」
「うせろ」厳谷究は時間が経ったのを見て、突然かんしゃくを起こしたように彼を押しのけた。
くそ、自分はホモじゃないんだから、そんな声出せるわけないだろ?
その後、みんな元の位置に座り直した。
ボトルを回し続けると、今度はボトルが村田雲平を指した。
「ははは、ついに村田さんの番だ。真実か挑戦か、どっちを選ぶ?」向井涼太は興奮して尋ねた。
「挑戦は刺激が強すぎるから、真実を選ぶよ」
村田雲平は慎重で、真実を選ぶ方が安全だと感じた。
残念ながら、ここには良いカードは一枚もなく、これは特に顔を赤らめるような下品なカードだった。
「うわ、これマジでエロすぎる。俺、読み上げるのちょっとキツいわ」
向井涼太は一目見て、顔を真っ赤にし、村田雲平を見る目には幸災楽禍と少しの同情が満ちていた。