第365章 古川松陰と青木朝音がついに恋愛関係になった

「あなたの分の食事はキッチンにあるから、自分で温めて食べなさい」

青木朝音は我慢の限界に達して彼の腕から逃れ、もう一度蹴り出してやりたいと思ったが、深呼吸を何度もして何とか堪えた。

自分の食事があると聞いた古川松陰は、目を輝かせ狂喜した。やはり妻は冷たくないと分かっていたのだ。急いで立ち上がり、小走りでキッチンに向かうと、確かにカウンターの上に彼のために残された食事があった。

彼は電子レンジで温め、それを持ち出して食卓に座り、美味しそうに食べ始めた。

うん、やはり妻の作った料理が一番彼の口に合う。

とても美味しい！

食事の後、古川松陰は自ら進んで皿を洗い、テーブルを拭き、床を掃除し、部屋を隅々まできれいにした。

青木朝音は満足げに眉を上げ、冗談めかして言った。「あなたはこんなに良い家庭人だから、将来誰かがあなたを娶ったら、それは彼女の幸せね」

古川松陰は彼女の側に近づき、隣に座り、長い腕をソファの背もたれに回し、骨ばった指で軽く叩きながら、悪戯っぽく唇を曲げて言った。「じゃあ、君は僕を娶りたくないか？」

そして、男としての尊厳を失うと思い直し、「間違えた、嫁に来るだ」と言い直した。

青木朝音は彼の体の匂いに耐えられず、それを嗅ぐだけで顔を赤らめ心臓が早鐘を打ち始めた。目立たないように少し横にずれ、冷たく警告した。「離れなさい」

古川松陰は楽しげに軽く笑い、色っぽく彼女の少し赤くなった頬を見つめて冗談を言った。「顔が赤いね？ドキドキしてる？」

「出て行って」青木朝音は自分の中の太古の力が爆発しそうになるのを感じた。

……

夜、青木朝音はまた前回と同じ夢を見た。悪夢とは言えないはずなのに、毎回汗びっしょりになって目を覚まし、目覚めた後も胸の辺りに空虚な感覚が残る。

青木朝音はイライラしながら携帯を手に取り時間を確認した。午前3時、前回と同じ時間で、かなり規則的だ。

携帯を置いて再び横になったが、どうしても眠れなかった。むしろ古川松陰の温かく頑丈な抱擁が恋しくなり、彼と抱き合うだけでこの不思議な感覚が和らぎ、ある種の満足感を得られるような気がした。

もう一度試してみようか？