第372章 ジャングル試験、悪役を懲らしめる（4）

「民は食をもって天となす、食べることが一番大事なのよ」青木朝音は真剣な顔で言った。

「そうそう、食べることが一番大事だよ」北川麟兎も同意して頷いた。

「ちっ、食いしん坊の集まりだな」深井鷹行は少し嫌そうな顔をして、すぐに自ら進んで言った。「トークンを奪う仕事は俺に任せるしかないようだな？」

そう言いながら、彼は隣にいる厳谷君彦に視線を向け、彼の肩を叩いて言った。「あとで俺たちでトークンを奪いに行こう。女子たちには料理を任せよう」

それを聞いて、北川麟兎も言った。「俺も一緒に行くよ、どうせ食事までまだ時間があるし」

「今やるべきことは、まず水源を見つけることよ。あとで水源の近くに草小屋を建てて、夜はそこで休むわ。トークンは明日奪っても間に合うわ」と青木朝音が言った。

「ああ」北川麟兎は素直に頷いて、すぐに続けた。「でも草小屋ってどうやって作るの？俺、できないと思う」

「何が難しいんだ？あとで枝や葉っぱ、木材をたくさん集めればいいんだよ。多ければ多いほどいい」深井鷹行は彼を一瞥し、何でも知っているような態度で言った。

……

真田千晴のグループは、彼女一人だけが女性で、残りは全員体格のいい男性たちだった。

真田千晴はリーダーとして自然と中央を歩き、まるで星々に囲まれた月のように、生まれながらの優越感と高慢な雰囲気を漂わせていた。

「リーダー、あとでCグループのトークンを奪いに行きませんか？あのグループが一番弱そうです」

背が高くて筋肉質で浅黒い男、高橋偉大は手に槍を持ちながら提案した。

「Cグループ？」

真田千晴はしばらく考えてから、Cグループが青木朝音のグループだと気づき、思わず笑って同意した。「あのグループは確かに弱いわね」

「じゃあ、あとで彼らのトークンを奪いましょうか？」高橋偉大と別のチームメイトは意気込んでいた。

「急がないで。今夜はまず様子を見て、明日奪いましょう」真田千晴は慎重に言った。

「わかりました。ところで、リーダー、今夜は何を食べますか？」

高橋偉大はまた食べ物のことを考え始めた。結局、真田千晴は料理の鉄人だ。もし彼女の手作り料理を食べられるなら、今回の試験も無駄ではなかったことになる。

「野生の動物や果物以外に、何か食べるものがあるの？」真田千晴は反問した。