第161章 お前はこういうのが好きなんだろう?(1)

この動画の始まりは、森川記憶が林田正益の耳元に近づき、何か内緒話をしているようなシーンだった。

林田正益は彼女の言葉を聞き終えると、テーブルを囲む人々を一人ずつ指さしながら、彼女に話し始めた。

林田正益の言葉に合わせて、森川記憶はそれぞれの人に微笑みながら頷いていた。

髙橋綾人には彼らの声は聞こえなかったが、映像から察するに、林田正益は彼女に周りの人々を紹介しているのだろうと推測できた。

紹介が終わると、林田正益はグラスを手に取り、森川記憶の耳元に近づいて、また何か内緒話をした。

その後、林田正益はテーブルを囲む人々に何か言うと笑い、森川記憶は彼の手からグラスを受け取り、立ち上がって彼の隣の人にそれを差し出した。

この動画が終わると、髙橋綾人は迷うことなく、すぐに三つ目の動画を開いた。