言い終わると、田中白は振り向いてエレベーターの方へ急いだ。
まだ二歩も歩かないうちに、田中白はまた立ち止まった。「高橋社長、森川さんが修正液を100本欲しいと言っていましたが、本当に100本買うんですか?」
「1000本だ!」髙橋綾人は歯ぎしりしながら田中白に答え、そして身をかがめて、暴れ狂う女の子を横抱きにして、先に歩き出した。
田中白の横を通り過ぎる時、髙橋綾人は足を少し緩めた。「1本でも足りなかったら、もう戻ってこなくていい!」
言い終わると、髙橋綾人は足早にエレベーターに乗り込んだ。
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森川記憶を抱えたまま上階へ向かい、エレベーターを出ると、髙橋綾人は森川記憶の身体からは彼女の部屋のカードキーが見つからなかったので、直接彼女を自分の部屋に連れて行った。
森川記憶をベッドに寝かせると、髙橋綾人はすぐにベッドサイドテーブルの内線電話を押し、二日酔いの薬を持ってくるよう指示した。