第406章 森川記憶、話し合おう(6)

おそらく夜も更けていたのだろう、薬局のレジ係はレジ台に伏せて居眠りをしていたが、「いらっしゃいませ」という案内音が聞こえると、ぼんやりと頭を上げ、森川記憶に向かって尋ねた。「お嬢さん、何をお求めですか?」

四年前、彼女はすでに一度苦い経験をしていた。四年後の今、同じ過ちを犯した状況で、万が一に備えないわけにはいかなかった。

彼女はもう妊娠するわけにはいかなかった……

森川記憶は指先で服の襟元をつまみながら、小さな声で三文字だけ答えた。「アフターピル」

少し間を置いて、森川記憶は既に二日近く経っていることを思い出し、付け加えた。「72時間効果のものを」

レジ係はおそらくこのような場面に慣れているのか、表情を変えることなく下から薬の箱を一つ取り出し、森川記憶の前に置いて、価格を告げた。