第414章 なるほど、ときめきだったのね (4)

「それはそもそも間違いだったのよ、4年前と同じように、私は酔っていたの。」

「だから、あの夜を、4年前のあの夜と同じように、お互い忘れましょう!」

森川記憶は今の自分が、痛みで既に心身ともに麻痺していると感じた。彼女は思った、これでいい、自分が痛みで死ねばいい、自業自得だ、誰が彼女に二股をかけさせたのか、一人を好きながらもう一人を気にかけるなんて!

何も起こらなかったことにする、一つの間違い……あの夜、彼はすべての愛情を注いで彼女と絡み合い、彼女を抱きしめて彼がここ数年で唯一安らかな眠りについた、彼にとってはあんなに大切な一夜が、彼女にとっては起こらなければよかった間違いだという。

しかも4年前と同じ……酔っていた……同じとはどういうこと?彼女は彼をまた髙橋余光と間違えたのか?