第391章 目覚めた翌日(1)

林田誠は口を閉じ、もう声を出さなかった。

再び静寂が訪れた。

どれくらい経ったか分からないが、林田誠は尋ねた。「では菅生さん、計画を実行する時、私は部下たちに気をつけるよう言いつけます。できるだけあなたを傷つけないように…」

「いいえ!」菅生知海はほとんど躊躇うことなく、林田誠の言葉を否定した。「佐藤明海の娘は、純粋だけど頭がいい。演技が本物でなければ、彼女の本心は掴めない!だから…」

菅生知海がここまで言った時、彼の瞳の奥に一瞬鋭い光が走った。「…本気で打つべき時は、必ず本気で打たなければならない!」

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森川記憶が熟睡している時、トイレに行きたくなった。十分に眠れていない彼女は目覚めたくなく、夢の中で我慢していた。

長く我慢していると、下腹部にかすかな痛みが広がった。眠りに留まりたい彼女は眉間にしわを寄せ、もうこれ以上我慢できないと悟ると、ようやく不本意ながら目を細く開け、ぼんやりとしたまま床から降りてトイレへ向かった。

森川記憶はトイレを使い、手を洗う全過程を目を閉じたままで行った。

彼女は半分眠ったままトイレから出るとすぐに、急いでベッドに戻った。

彼女は快適な姿勢を見つけ、続けて眠ろうとした時、自分の背中に何か滑らかで柔らかいものが触れているのを感じた。温かくて、とても心地よかった。

早く眠りたくて仕方がない彼女は、目を開けて確認する気もなく、ただ手を伸ばして後ろを適当に触ってみた。触感は滑らかで引き締まっていて、まるで…男性の胸のようだった。

眠気が強かったため、彼女の頭はあまり冴えておらず、自分の頭に浮かんだ考えが何を意味するのか全く理解していなかった。

10数秒後、もう少しで眠りに落ちそうだった森川記憶は、突然目を開いた。

いや、今考えたのは…男性の胸?

男性の胸?!

この五文字が再び森川記憶の頭をよぎると、彼女は一瞬にして眠気が吹き飛び、視界もはっきりしてきた。もう先ほどのようにぼんやりとして、何を見ても霧がかかったように感じることはなかった。

床に散らばった二つのバスローブはしわくちゃになり、彼女の下着は近くの小さな丸テーブルの上に置かれ、その隣の床には男性の下着も落ちていた。