第400章 目覚めた翌日(10)

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髙橋綾人と田中白が成田空港に到着したのは、午前零時三十五分だった。

飛行機を降りるとすぐに、髙橋綾人が最初にしたことは、森川記憶に電話をかけることだった。

通信が繋がると、相変わらず「申し訳ありませんが、お掛けになった電話の電源は切れています」というメッセージが流れた。

彼は午後、田中白に特別に森川記憶の身分証明書で予約された航空便や新幹線を調べさせ、彼女が京都に到着した後、他の場所には行っていないことを知っていた。

彼女と連絡を取っていなかったあの数年間、彼は毎回京都に来ると密かに彼女を見に行き、彼女の後ろをついて行き、彼女の知らないところで静かに彼女に寄り添っていたので、彼女のいくつかの習慣についてはある程度理解していた。

だから髙橋綾人は彼女の電話がまだ電源が切れていることを知ると、車に乗るとすぐに田中白に後海にある、彼女が悩み事があるときによく行くバーに向かうよう指示した。