「いいね」の数さえ、5万を超えていた。
一夜にして、目が覚めると、彼女はこれほどまでに知名度が上がっていた。
この展開はあまりにも突然で、森川記憶は思わず自分の太ももを強くつねった。鋭い痛みを感じて初めて、これが夢ではなく現実だと理解した。
彼女はバカではない。自分がこのように何の理由もなく有名になるはずがないことを知っていた。もし昨日一日中発酵していたあの出来事がなければ、YCが彼女を最初の女性アーティストとして契約したと発表しても、人々の注目を集めることはなかっただろう。ましてや今のような大きな反響は得られなかっただろう。
つまり、昨日の山田欣子、林田思葉、田中麗子...は誰かが彼女たちの話題性を利用して、みんなの関心と好奇心を煽り、そして今日YCが真実を発表した後、彼女が焦点になったということだ。