第470章 お嬢様、お届け物が来ました(10)

彼女はゲームの中の男性とチャットしていて、楽しそうなの?

髙橋綾人は眉間を少し寄せ、さりげなく視線を戻し、手を上げてパソコンの音量を少し下げた。

会議に集中しているように見える髙橋綾人だが、実際は注意力のすべてが森川記憶のスマホに向けられていた。ビデオ会議の話し声を通して、彼は何とか森川記憶のスマホから山崎絵里の声を聞き取ることができた。「わあ、やっと勝った、嬉しい!」

その後、男性の声が響いた。「いとこ、まず僕を友達追加して、あとで続けて遊ぼう」

森川記憶が髙橋綾人の隣でゲームをしていた時、髙橋綾人は一瞬で彼女のIDを見た。「いとこ超美人」と呼ばれていた。だからこの男が呼んでいるのは森川記憶?

髙橋綾人の頭の中の考えが固まったとき、森川記憶の柔らかい声が聞こえてきた。「はい、いいよ」