あの日から、森川記憶と髙橋綾人は連絡を取り合うようになった。
最初は3、4日に一度会話するだけだったが、やがて毎日少しの時間話すようになり、最終的には朝起きてから夜寝るまで、ほぼ一日中途切れることなく会話するようになった。
女の子は生まれつき愚痴をこぼすのが好きで、髙橋余光との婚約を解消する前は、森川記憶は何かあると髙橋余光に相談していた。髙橋余光との婚約を解消した後、彼女は山崎絵里と一緒にゲームを始め、もともと仲の良かった二人の女の子はさらに親密になり、森川記憶は自然と何かあれば山崎絵里に愚痴をこぼすようになった。
しかし、髙橋綾人との会話の時間が日に日に増えていくにつれ、彼女自身も気づかないうちに、何か起きると習慣的に髙橋綾人に相談するようになっていった。
最初、森川記憶と髙橋綾人が会話する時はテキストメッセージだったが、後に森川記憶はテキスト入力が面倒になり、髙橋綾人に音声メッセージを送るようになった。