第211章 【211】ゲームの罰6

「あなた……そんなに私の裸泳ぎが見たいの?」冗談めかした言葉は、ゲームの中では極めて普通のことだった。

しかし、南条陽凌と夏野暖香に言われると、突然、意味合いが変わってしまったようだ。

皆の表情が、一斉に変わった。。

この場面は、まさに極限まで甘い雰囲気に包まれていた~~

帝様は、何かを暗示しているようだった。。

周りの人々から「ふーん……」という納得の声が漏れた。

まるで、このゲームが二人の夫婦の情事を盛り上げる調味料になったかのようだ。

夏野暖香は我に返り、顔が一瞬で赤くなった。

本当は彼の恥ずかしい姿を見たかっただけなのに!

くそっ、南条陽凌はいつも物事を完全に違う方向に持っていく。

明らかに彼女が彼を引っ張っていたはずなのに。

結局、また彼に引き戻されてしまった。

たった一言の間に!

でも、みんなの前で「実は私はあなたの恥ずかしい姿が見たかっただけ」なんて言えるわけがない!

結局、彼女は今、南条陽凌の妻の体なのだから。

それに、そんなことを言ったら、他の人たちはきっと二人が戯れ合っていると思うだろう。

「私は……」夏野暖香は怒りで言葉を詰まらせた。

南条陽凌は冷たい表情を浮かべていたが。

しかし、漆黒の瞳には笑みが宿っていた。

彼は頭を下げ、夏野暖香の額にキスを落とした。

「いいよ、君が望むなら、やってみせるよ!」彼は颯爽と威厳を持って言い、感嘆の声と悲鳴を引き起こした。

南条陽凌はそう言うと、立ち上がった。

外へ向かって歩き出した。

皆は騒ぎ立て、興奮して彼の後を追った。

夏野暖香は正気を失いそうだった。

額には、まだ彼のキスの感触が残っているような気がした。

柔らかく、温かい。

目を上げると、澄んだ視線と目が合った。

同じように微笑んでいるような、いないような表情。

「一緒に見物に行こう!」二人だけになった個室で、橋本健太は手を差し伸べて彼女に言った。

夏野暖香は完全に呆然としていた。

無意識にその大きな手を掴んでいた。

橋本健太は彼女を立たせた後、自然に彼女の手を離した。

まるで、すべてが極めて普通のことであるかのように。

しかし、夏野暖香の心は、すでに乱れに乱れていた。

心臓の中で小鹿が暴れ回っているようだった。

橋本健太の後ろについて、別荘を出た。