第363章 【363】かくれんぼをしたいの?

こちらでは、橋本真珠がベッドに横たわったまま眠れずにいた。

起き上がり、胸元のボタンを二つ外した。

月明かりを頼りに、素足で床に降り、部屋のドアを開けた。

南条陽凌の書斎へと向かった。

書斎では、デスクランプが一つ点いていた。

橋本真珠はゆっくりとドアを開け、南条陽凌が机に伏せて眠っているのを見た。

目に光るものが宿り、ゆっくりと前に進んだ。

「陽凌お兄さん……」彼女は小声で呼びかけた。

南条陽凌は反応しなかった。

橋本真珠は前に進み、南条陽凌を起こした。

彼を支えながら、角のベッドへと引きずっていった。

「陽凌お兄さん……どうしてこんなに熟睡してるの?」橋本真珠は考えた。

シャツのボタンが引き裂かれた。

ひらめいて、直接南条陽凌の服を脱がせ始めた。

……

「暖香ちゃん……暖香ちゃん……」暗闇の中、夏野薔子が小声で呼んだ。

夏野暖香は眠っているようだった。

夏野薔子はゆっくりと起き上がり、ベッドから降りた。

部屋を出て行った。

……

月明かりの下、夏野暖香はゆっくりと目を開けた。

誰かが彼女を呼んだような?

あれ……南条陽凌はどこに行ったの?

そうだ、今夜は南条陽凌はここで寝ていない。

今夜は橋本真珠もいる、夏野暖香はあの日の写真を思い出した。

確かに、橋本真珠ではないと証明されたが、心の中にはまだ少し疑いがあった。

二人はまさか……

夏野暖香は考えながら、起き上がり、静かにベッドから降りた。

……

こちらでは……橋本真珠が南条陽凌のシャツを脱がせ、緊張で汗だくになっていた。

心の中では葛藤があったが、その端正な顔を見ると、思わずキスをしてしまった……

……

夏野薔子はドアの前まで来た。

中から小さな息遣いが聞こえ、中の光景を見て眉をひそめた。

くそっ!

この女、何で邪魔をしに来たんだ?

振り向いた瞬間、誰かにぶつかった。

夏野暖香はぶつかられて、驚いた。

思わず叫び声を上げた。

「誰——!」橋本真珠が低く叫んだ。

そのとき、一瞬で明かりがついた。

一瞬のうちに、橋本真珠、夏野暖香、そして夏野薔子は、みな呆然とした!

「あなたたち……どうしてここに?」橋本真珠は慌てふためき、目を見開いて夏野暖香と夏野薔子を指さした。

続いて、手を伸ばして自分の胸元を隠した。