こちらでは、橋本真珠がベッドに横たわったまま眠れずにいた。
起き上がり、胸元のボタンを二つ外した。
月明かりを頼りに、素足で床に降り、部屋のドアを開けた。
南条陽凌の書斎へと向かった。
書斎では、デスクランプが一つ点いていた。
橋本真珠はゆっくりとドアを開け、南条陽凌が机に伏せて眠っているのを見た。
目に光るものが宿り、ゆっくりと前に進んだ。
「陽凌お兄さん……」彼女は小声で呼びかけた。
南条陽凌は反応しなかった。
橋本真珠は前に進み、南条陽凌を起こした。
彼を支えながら、角のベッドへと引きずっていった。
「陽凌お兄さん……どうしてこんなに熟睡してるの?」橋本真珠は考えた。
シャツのボタンが引き裂かれた。
ひらめいて、直接南条陽凌の服を脱がせ始めた。
……
「暖香ちゃん……暖香ちゃん……」暗闇の中、夏野薔子が小声で呼んだ。
夏野暖香は眠っているようだった。
夏野薔子はゆっくりと起き上がり、ベッドから降りた。
部屋を出て行った。
……
月明かりの下、夏野暖香はゆっくりと目を開けた。
誰かが彼女を呼んだような?
あれ……南条陽凌はどこに行ったの?
そうだ、今夜は南条陽凌はここで寝ていない。
今夜は橋本真珠もいる、夏野暖香はあの日の写真を思い出した。
確かに、橋本真珠ではないと証明されたが、心の中にはまだ少し疑いがあった。
二人はまさか……
夏野暖香は考えながら、起き上がり、静かにベッドから降りた。
……
こちらでは……橋本真珠が南条陽凌のシャツを脱がせ、緊張で汗だくになっていた。
心の中では葛藤があったが、その端正な顔を見ると、思わずキスをしてしまった……
……
夏野薔子はドアの前まで来た。
中から小さな息遣いが聞こえ、中の光景を見て眉をひそめた。
くそっ!
この女、何で邪魔をしに来たんだ?
振り向いた瞬間、誰かにぶつかった。
夏野暖香はぶつかられて、驚いた。
思わず叫び声を上げた。
「誰——!」橋本真珠が低く叫んだ。
そのとき、一瞬で明かりがついた。
一瞬のうちに、橋本真珠、夏野暖香、そして夏野薔子は、みな呆然とした!
「あなたたち……どうしてここに?」橋本真珠は慌てふためき、目を見開いて夏野暖香と夏野薔子を指さした。
続いて、手を伸ばして自分の胸元を隠した。