第362章 【362】私はあなたをしっかりお世話します

夏野暖香：ごめんなさい、もう一度マッサージしてもいい？怒らないでね！

「いいよ、最後のチャンスをあげる！うまくできなかったら洗濯板の上で正座させるからな！」

夏野暖香：「やめて……わかったわ……陽凌……ちゃんとお世話するから！絶対に罰を与えないでね……」

「ハハハハ……」

そう考えると、南条陽凌は思わず笑みがこぼれ、その端正な顔に得意げな表情が浮かんだ。

いつもは高慢で冷たい目が、甘さでいっぱいになっていた。

突然、テーブルの上の携帯電話が鳴った。

南条陽凌はハッと我に返った。

悔しそうに怒りを込めて思った。南条陽凌、お前はあの女にやられて頭がおかしくなったんだな！

……

寝室の中。

夏野暖香と夏野薔子は同じベッドに横たわっていた。

頭の中では何かを高速で考えていた。

彼女は南条陽凌の身に鍵束があることを覚えていた。おそらく、その中に密室の鍵があるはずだ！

密室を開けて、解毒薬を手に入れて飲み、誰にも気づかれずに逃げ出せば。

そうすれば、すべての問題が解決するじゃない？

夏野暖香はそう考えながら、唇の端をわずかに上げた。

「何を考えてるの？そんなに夢中で」ちょうどその時、耳元で冗談めかした声が聞こえた。

夏野暖香は我に返り、夏野薔子を見た。「べ……別に……」

「もしかして……帝様のこと考えてたんじゃない？」夏野薔子は眉を上げ、意地悪く笑いながら尋ねた。

「そんなわけないでしょ！私がどうして彼のことを考えるの！」

「そう？でも、今日見たところ、帝様はあなたのことをとても大事にしているみたいよ。まるで全世界に向かって、あなたは彼の南条陽凌の女だと宣言したいみたいだった。あらら、橋本真珠が血を吐きそうなくらい怒ってたわね！」

夏野暖香はその場面を思い出し、耳が熱くなった。夏野薔子をにらみつけて言った。「変なこと言わないで。彼はただそういう人なの。何でも自分の気分次第で、他人の気持ちなんて考えないんだから！」

「そう？私が見るに、彼はあなたのことをとても大切にしているんじゃない？他の女性があんなふうに愛されたら、きっとこっそり喜んでるわよ？」

夏野暖香は軽蔑した様子で言った。「こんな横暴な気遣い、なくてもいいわ！」