「じゃあ……私と一緒に飲みなさい!」南条慶悟は叫んだ。
藤田抑子は仕方なく、最後にはグラスを手に取り、無理して少し飲んだ。
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夏野暖香はベッドの傍らに立ち、眠っている男を見つめていた。灯りの下で美しい顔は、少し赤みを帯びていた。それがさらに色気を増していた。
夏野暖香は彼のシャツを脱がせ、上半身を****にして、布団をかけてあげたが、すぐにはだけてしまった。鍛え上げられた胸筋が露わになり、胸には胸毛が生えていて、まさに魅惑的で野性的だった。
もし他の女性がこの光景を見たら、きっとすでに我慢できずに飛びついていただろう。しかし夏野暖香は彼の姿を見て、思わず唾を飲み込みながらも、彼との間に少し距離を保っていた。
「南条陽凌……南条陽凌……」彼女は少し不安そうに小さな声で二度呼んだ。
南条陽凌は深く眠っていて、おそらくお酒を飲んだせいで、呼吸は少し荒かった。夏野暖香は彼が反応しないのを見て、唇の端に笑みを浮かべた。
そっとテーブルランプを消し、足音を忍ばせて部屋を出て、ドアの所まで来ると、忘れずに部屋のドアをしっかり閉めた。
階下に降りると、女中たちはみな眠っていて、リビングにはいくつかの壁灯だけがついていて、光はそれほど明るくなかった。
彼女は階下の棚の前に行き、扉を開けた。芸子がよくここから薬を取り出すのを見ていたことを思い出した。
案の定、混ざり合った漢方薬の香りが漂ってきた。棚の中には大きな薬箱があり、様々な薬が入っていた。
彼女は解毒剤がどんなものか見たことはなかったが、考えてみれば、普通の薬と変わらないはずだと思った。
そこで、彼女は携帯のライトで照らしながら、中からいくつかの薬瓶を取り出し、名前も見ずに、大きさの異なる薬丸を数枚の紙で包み、さらに数枚の錠剤も包んだ。それを服の中に隠した。
あたりを見回してから、ソファの前に行き、テーブルの上のフルーツバスケットを抱え上げた。バスケットには様々な種類の果物がたくさん入っていて、かなり重かった。
家を出ると、別荘の隣にある小さな別荘が、密室のある場所だった。
夏野暖香はまだ一度も行ったことがなかったが、いつも誰かがそこを見張っていることは知っていた。
小道を通り抜けて、夏野暖香は密室のドアの前に着いた。