第450章 解毒薬を盗む絶好のチャンス4

武田達也は一瞬固まり、急いで果物籠を受け取り、頭を掻きながら、恥ずかしそうに笑って言った。「こんな遅くに、若奥様にわざわざ来ていただいて申し訳ありません。」

「大丈夫ですよ。帝様が言うには、前回あの人が来てから、もうすぐ一ヶ月になるそうで、夜に暗殺者が来るかもしれないから、解毒薬をしっかり見張っておいてほしいと。誰かに奪われないようにって。」

「ご安心ください、若奥様!解毒薬は密室の中にあり、鍵は帝様が持っています。帝様はすでに私たちにここを何日も守るよう命じられました。あの者が来れば、すぐに捕まえることができます!」

「南条陽凌が自分で下りてこようとしたんですが、少し疲れているようだったので、休ませて、私が見に来ました。」夏野暖香はそう言いながら、手の中の鍵を取り出した。

「帝様が心配で、解毒薬を確認しに来るように言われました。」

武田達也は少し戸惑った。

何か違和感を覚えたが、すぐには思い出せず、ただ笑って言った。「若奥様、密室は下にあります。ご案内します!」

「はい...」夏野暖香は頷いた。

武田達也は手に持っていたものを部下に渡し、皆に目を光らせるよう言った。そして夏野暖香を連れて中へ向かった。

エレベーターの前に来ると、武田達也はエレベーターのボタンを押し、二人はエレベーターに乗り込んだ。

エレベーターはずっと下へ降り続け、何階分もの高さがあるように感じた。ここは夏野暖香が想像していたよりもさらに厳重だった。

夏野暖香は心の中で非常に緊張し、手のひらは汗でびっしょりだった。あちらでは南条陽凌は明日の朝にならないと目覚めないはず、今は藤田抑子が遅く帰ってくることを願うだけだった。

エレベーターを出ると、藤田抑子は手で何かの仕掛けを操作した。突然、目の前の壁が開いた。

そして龍の彫刻が施された大きな鉄の扉が現れた。

夏野暖香は自分がまるで古代の映画に出てくる武功の秘伝書が隠されている場所に来たような気がした。

「若奥様、着きました。」

夏野暖香は武田達也を見つめた。「解毒薬はこの中にあるの?」

「そのはずです。」

夏野暖香は頷いた。

五角形の星の形をした鍵を取り出した。

一瞬、どうやって開けるのか分からなかった。