突然、彼女は無意識に彼のアルバムの他の写真を見てしまった。
写真をスワイプしていくと、彼のカメラには、なんと彼女の写真がたくさん保存されていることに気づいた。
最近のいくつかは病院の外で撮られたもので、あまり鮮明ではなかった。他にも、彼女がWeChatに投稿した写真、自撮り、そして関口月子との撮影中の写真もあった。
それらすべてが彼のスマホに密かにダウンロードされていたのだ。
「密かに」というのは適切ではないかもしれない。結局は彼女が友達圏に投稿した写真だったのだから。ただ、橋本健太がそれらを保存しているとは思わなかっただけだ。
橋本健太はその状況を見て、少し恥ずかしそうに携帯を取り戻し、咳払いをした。「あの...ただ何となくダウンロードしただけで...写真を撮ってあげようか...」
夏野暖香は微笑んだ。「いいわよ...」
そして二人は何事もなかったかのように写真を撮り始めた。夏野暖香の心は蜜を注がれたように温かくなり、橋本健太の彼女を見る目にも笑みが宿っているようだった。
「いつも私ばかり撮らないで、私があなたを撮るわ!」
「いや...僕は写真写りが良くないから、やっぱり君を撮らせてよ...」
「南條漠真、あなた全然変わってないわね、相変わらず写真撮られるの嫌いなんだから!」
「七々も変わってないじゃないか、相変わらずおっちょこちょいだ!」
「ハハハハ...」
「ハハハハ...」
二人が遊び疲れると、橋本健太は事前にビーチBBQを予約していた。夏野暖香はバーベキューを食べると聞いて、とても興奮した。もともとお腹が空いていたところに、炭火の上には新鮮な魚やエビ、マグロ、様々な種類のカニが並べられていた。しばらくすると、香りが立ち上り、風に乗って鼻先まで漂ってきて、夏野暖香は思わず涎を垂らした。
橋本健太は殻をむいた大きなエビを彼女に渡した。「気をつけて、熱くないように」
彼女は返事をする余裕もなく、ただひたすら食べ続け、橋本健太は彼女の皿に次々と調理した肉や野菜を盛り付けていった。
「肉ばかり食べないで、野菜も少し食べなさい」と橋本健太は彼女に注意した。