第151章 魂を失う

以前、林薫織が病院に戻ると、林の母の気分はたいてい良好で、体調が優れない時でさえ、憂鬱な顔を見せることはなかった。

しかし今日は、病室に入るとすぐに、林薫織は母親の様子がどこか違うと感じた。彼女が戻ってきてから、食事を終えるまで、母の眉間はずっと曇ったままで、時々ため息をつき、何度か林の母が自分を見て言いかけては止める様子を目にした。

「お母さん、この料理が口に合わないの?外から取り寄せようか?」

「そうじゃないの、ただ食欲がないだけよ」

「食欲がなくても少しは食べないと。医者も言ってたでしょう、肉と野菜をたくさん食べることが回復に役立つって」林薫織は皿から母親のために料理をよそいながら、ぶつぶつと言った。「ことわざにもあるでしょう、人は鉄、飯は鋼って。ちゃんと食べないと、体がもたないわよ」