第182章 林薫織、私はあなたが好きだ

藤原輝矢はじっと見ると、それが辞表であることに気づき、顔色が一変した。「君は辞めるつもりなのか?」

林薫織は目を伏せ、うなずいた。

「なぜ辞めようとするんだ?給料が足りないとでも思っているのか?」

「いいえ、藤原さん。あなたが私にくださる給料は十分高いです。私が辞めることにしたのはそのためではありません。」

「では何のためだ?」突然、藤原輝矢の口元が沈み、眉をひそめて言った。「お母さんの体調が...」

「母の体調は大丈夫です。」ちょうど先ほど林の母と電話で話したところだった。藤原輝矢がさらに追及しようとするのを見て、林薫織は小さな声で言った。「ただ、この仕事が私に向いていないと思うだけです。」

これを聞いて、藤原輝矢の顔色が急に冷たくなり、目が鋭くなった。「向いていない?要するに私のために働きたくないということだろう?」