藤原輝矢は景色の良い場所を見つけてテントを設営し、林薫織は傍らで手伝っていた。
林薫織は藤原輝矢の手慣れた動きを見て、思わず冗談を言った。「藤原さん、以前からこんな方法で女の子を口説いていたんですか?」
藤原輝矢の動きが一瞬止まり、顔を上げて彼女に意地悪く微笑んだ。「もしそうだとしたら、今も私は女の子を口説いていることになるね?」
林薫織はすぐに言葉に詰まった。やはり口論で藤原輝矢に勝つのは並大抵のことではなく、林薫織はうっかり自分から話題を振ってしまい、藤原輝矢にからかわれる結果となった。
林薫織が頬を膨らませ、恨めしそうな様子を見て、藤原輝矢は思わず笑みを浮かべた。「木頭ちゃん、君は俺を見くびりすぎだよ。この俺の容姿と雰囲気で、わざわざ女の子を口説く必要があるかい?指一本動かせば、どれだけの女性が自ら寄ってくるか分からないよ。」