第164章 バカな娘よ、男の心は最も変わりやすいものだ

藤原輝矢は景色の良い場所を見つけてテントを設営し、林薫織は傍らで手伝っていた。

林薫織は藤原輝矢の手慣れた動きを見て、思わず冗談を言った。「藤原さん、以前からこんな方法で女の子を口説いていたんですか?」

藤原輝矢の動きが一瞬止まり、顔を上げて彼女に意地悪く微笑んだ。「もしそうだとしたら、今も私は女の子を口説いていることになるね?」

林薫織はすぐに言葉に詰まった。やはり口論で藤原輝矢に勝つのは並大抵のことではなく、林薫織はうっかり自分から話題を振ってしまい、藤原輝矢にからかわれる結果となった。

林薫織が頬を膨らませ、恨めしそうな様子を見て、藤原輝矢は思わず笑みを浮かべた。「木頭ちゃん、君は俺を見くびりすぎだよ。この俺の容姿と雰囲気で、わざわざ女の子を口説く必要があるかい?指一本動かせば、どれだけの女性が自ら寄ってくるか分からないよ。」

「藤原さん、自慢話はそういう言い方じゃないですよ。」

「自慢なんかじゃないよ。」藤原輝矢は指で林薫織の木魚頭を強くノックし、不満そうに言った。「君みたいな木頭だけが俺の良さを分からないんだ。」

簡易テントは設営にそれほど時間がかからなかった。テントが完成するとすぐに、藤原輝矢は中に入り、怠そうにテントの中で横になり、全身を伸ばして大の字になった。

体を伸ばした後、藤原輝矢はテントの外にいる林薫織を見上げた。「何をぼんやり立っているんだ?太陽に焼かれて焼き芋になりたいのか?」

林薫織は藤原輝矢の意図が一緒に横になることだと察し、もしそうなら、自分が焼き芋になる方がましだと思った。

彼女は笑顔で藤原輝矢に首を振った。「大丈夫ですよ、藤原さん。私は日焼けに強いので。」

藤原輝矢は彼女のでたらめを無視した。「孫悟空じゃあるまいし、太上老君の丹炉に耐えられると思ってるのか?今は真昼だぞ、人肉干しになるぞ。」

林薫織がまだその場に立ち尽くしているのを見て、藤原輝矢はついに立ち上がり、何も言わずに林薫織をテントの中に引っ張り込んだ。林薫織が起き上がろうとした時、長い脚で彼女をしっかりと押さえつけた。

「動くな!」

林薫織は眉をひそめ、もごもごと尋ねた。「藤原さん、最近女性不足ですか?」

だから、こんなに飢えているのか、彼女のような女にまで手を出すなんて。