第266章 兄弟、まだ死んでないのか?

藤原輝矢が怪我をしてから、彼は自由を失っていた。藤原哲男のやり方は徹底的で、彼が病室から出ることを許さないだけでなく、最終的には彼の携帯電話まで没収してしまった。

それだけならまだしも、普段は兄と一線を画していた松根までもが兄の行動を黙認し、彼のために一言も良い言葉をかけるどころか、火に油を注ぐように、見舞いに来る人のリストまで制限してしまった。

これには藤原輝矢も怒り心頭で、かつての英明な自分が、結局は身近な人間に裏切られ、誰に会いたいか、誰に電話をかけたいかさえも自分で決められなくなったことに憤慨していた。

この日、藤原輝矢はついに我慢の限界に達し、そばにいる若い看護師に手を出すことにした。前回、彼に散々罵倒されて以来、その看護師はこの大スターに対して敬して遠ざけるようにし、仕事を終えると、できるだけ早く立ち去るようにしていた。