「藤原さんが私を信じてくれるなら、あなたが持っているものを私に渡してくれませんか?」
「もちろんです。明日すぐに宅配便で送らせます」
その言葉を聞いて、林薫織の心にあった石がようやく地に落ちた。しかし最後に彼女はやはり確認しておく必要があった。「藤原さんが私に送るものは、コピーではないですよね?」
「それは林さん、ご心配には及びません。私はかなり約束を守る人間ですから」男性は少し間を置いて、口元を上げながら言った。「それに、もし本当にあなたを困らせたいなら、他の手段だって使えるでしょう」
林薫織は目の前のこの男性がそれだけの力を持っていることをよく知っていた。彼女は顔色を失い、心の中でどれほどの不満があっても、それを飲み込むしかなかった。彼女は藤原哲男には敵わないのだ。