第348章 私の好きな人は、この部屋にいる

氷川泉はカードをガラステーブルに投げた。ハートの7だった。

林薫織は胸が締め付けられる思いがした。氷川泉のカードも彼女のより大きく、彼女が最下位を免れる確率はほとんどなくなった。

「氷川社長、あなたのカードが一番小さいってことはないでしょうね?」木村響子は笑いながら、隣の藤原輝矢を急かした。「輝矢、ぐずぐずしないで」

藤原輝矢は口元を歪めて笑うと、カードをめくった。トランプがめくられた瞬間、林薫織は思わず長く息を吐いた。喜ぶべきかどうかわからなかったが、藤原輝矢の手にはハートの2があった。

これで、林薫織がカードをめくらなくても、結果は明らかだった。

木村響子は大喜びした。「ははは、今回はあなたが私の手に落ちたわね。真実か挑戦か?」

「どっちでもいいさ。どんどん来いよ、俺は怖くないぜ」藤原輝矢は不良っぽく笑った。