第465章 顔の交換?記憶喪失?

体が冷たい海水に落ち込み、林薫織の意識は暗闇へと落ちていった。混沌の中で、彼女は二つの見知らぬ声を聞いたような気がした。男性と女性の声のようで、二人は何かを争っているようだったが、彼女にはよく理解できなかった。

「人を救えって言ったのに、あなたときたら、人をモルモット扱いしたわね!」女性が義憤に駆られて言った。

「君が人を救えと言ったから、彼女を救ったじゃないか?」男性はとても無実そうだった。

「そうね、確かに命は救ったわ。でも暇なの?どうして余計なことをして、人の顔にまでメスを入れたの!」

「彼女の右頬に醜い傷があるのを見たんだ。せっかく命を救ったんだから、最後までやり遂げようと思って、その傷跡も取り除いてあげたんだよ。」

「本当にそう思ってたの?いいわ、仮にあなたの善意だとしても、人の顔を丸ごと取り替えるなんてことするはずないでしょ?ねえ?」