第585章 この男は干渉しすぎだ

林薫織は戦闘的な勢いで風呂を済ませ、布団を丸め、ソファーの上に仮の寝床を作って横になった。

彼女は房原城治と同じベッドで寝たくなかったが、かといってその男が良心を発揮して彼女にベッドを譲るとも思えず、自分が我慢するしかなかった。

ソファーに横たわり、暗闇の中で、林薫織は最近起きた様々な出来事を思い返していた。

突然記憶が戻ったことで、彼女はしばらく対処できず、一部の記憶は彼女を途方に暮れさせたが、数日経つうちに徐々に冷静さを取り戻していった。

彼女と氷川泉の恨みや葛藤は何年も続き、おそらく一生かけても誰が正しくて誰が間違っているのか判断できないだろう。彼女にできることは、彼から離れること以外、何もないように思えた。

そして藤原輝矢については、時が経ち、世界が変わり、かつての愛がどれほど骨身に染みていたとしても、彼らはもう戻れない。

房原城治については、彼の心は読めないが、今は一時的に彼と関わらざるを得ない。しかし可能であれば、彼女は彼らの関係を早く終わらせたいと思っていた。彼らの婚約は互いの利益のためだとしても、結婚は決して軽々しく扱うべきものではない。

さらに、もし彼女が薫理を引き取って一緒に住むことになれば、彼女と房原城治が結婚した場合、その目的が何であれ、薫理に影響を与えることは間違いない。

林薫織はこれらの問題について細かく考えていくうちに、自分ではどの問題も適切に処理できないことに気づいた。

しかし、そうであっても、一つだけ、どんな代償を払っても、薫理を自分の元に戻すことだけは絶対にやり遂げるつもりだった。

彼女にはこの子一人しかいないし、この先も一人しか子供を持つつもりはなかった。

実は、セイント病院に行く前、彼女は氷川泉がいない間に薫理を連れて行くつもりだった。しかし、薫理の弱々しい姿を見て、突然忍びなくなった。子供はまだ病気中で、退院するまで待つべきだと思った。

ただ、林薫織は、いつ薫理を連れ出そうとも、氷川泉との争いは避けられないことを知っていた。

もし氷川泉が子供の親権を渡さないと言い張ったら、彼女はどうすればいいのだろう?

林薫織が対策を考えているうちに、いつの間にか眠りに落ちていた。

うとうとしている時、頭上から房原城治の冷たい声が聞こえてきた。

「起きろ!」