改訂後: 第574章 全てはママが悪い

林薫織は車から降りて、二人の前に歩み寄った。

林薫織を見て、暁美さんの気持ちは複雑だった。彼女は高橋詩織が林薫織だとは思いもよらなかった。だからこそ旦那様が彼女に対して特別だったのか、だから薫理が彼女をそんなに好きだったのか。

「高橋さ…」暁美さんは言いかけて言い直した。「林さん、どうしてここに?」

「薫理に会いに来たの」林薫織は彼女に微笑みかけ、視線を落として隣の小さな人影を見た。「ちびちゃん、久しぶりね。私のこと恋しかった?」

薫理は林薫織を見ると、小さな顔に明るい笑顔が広がり、次の瞬間には林薫織の胸に飛び込んでいた。

小さな腕が自分の足にしっかりと抱きついた瞬間、林薫織は心全体が柔らかくなるのを感じ、幸せが少しずつ心の底から広がっていくのを感じた。

彼女は身をかがめ、見下ろすと、薫理も大きな目をぱちくりさせながらじっと自分を見つめていた。そして、ゆっくりと彼女から手を離し、手に持っていた小さな白いウサギのぬいぐるみを彼女の前に差し出した。