第156章 救いようがない

工藤希耀は夏目初美が残って一緒に解決しようとするのを見て、無理強いせず、優しく彼女を下ろして自分が座った。

そして彼女に尋ねた。「初美、じゃあ今、一体どういうことなのか教えてくれる?」

夏目初美は頷いて、状況を大まかに彼に説明した。

最後に言った。「本当は知られたくなかったの。結局、誇れることじゃないし、自分で解決できるから。でも結局あなたに問題を聞き取られて、すぐに駆けつけてくれたのね。」

工藤希耀は彼女の話を聞き終えると、彼女の手を軽く叩いた。「なぜ私に知らせたくなかったの?僕は君の夫だよ。君のことは僕のことでもある。良いことも悪いことも同じだ。僕も良いことも悪いことも君に隠そうとは思わないから、次からは僕に隠さないでね。」

少し間を置いて、「それで初美、今どう考えているの?あるいは君の要求は何?」

夏目初美は双葉淑華を冷たく見つめた。「今の私の唯一の要求は、母さんが離婚することよ。離婚に同意してくれれば、後のことは何も心配しなくていい。私があなたの代わりにすべての手続きを済ませるし、あなたの取り分も一銭も減らさない。」

「それから将来のことだけど、私と一緒に住みたければそれでもいいし、一人で住みたければそれも構わない。どちらも支持するわ。毎月お金も渡すから、自分の望む生活を送れるようにする。唯一の条件は、二度と夏目家の人たちと一切の接触を持たないことよ!」

双葉淑華は彼女の言葉が終わる前に、すでに焦っていた。「希実、どうしてまた離婚の話をするの...私は今のままで十分よ、離婚したくない...離婚したら家庭が崩壊するわ、私には家がなくなる、本当に離婚したくないの、私を追い詰めないで、お願い?」

双葉学明は怒りで息を荒くした。「希実があなたを追い詰めるって何だ、彼女はただあなたを心配して、少しでも良い日々を過ごしてほしいと思っているんだ。そうでなければ、彼女はこの数年間ずっとお金を渡し続けたりしないし、何度も不愉快な思いをしても、それはあなたの生活が少しでも良くなるようにと願ってのことだ。」

「それなのに、あなたはまだ『離婚したら家庭が崩壊する』なんて言うのか、ふん、あんなのどこが家庭だ、とっくに崩壊しているよ。今日、あなたは離婚するにしろ、しないにしろ、離婚するんだ!」