夏目初美は笑って言った。「もう大丈夫よ。二叔父さんは私の声を聞けばわかるでしょう。それで、二叔父さんは一人で迎えに行ったの?お正月に、二叔父さんにあんな場所まで迎えに行かせるなんて、身内とはいえ、私、心苦しいわ」
双葉学明は叱るように言った。「この子ったら、また遠慮してるのかい?それに君が何も言わなくても、私が知らんぷりできると思う?拘留所はあんなに辺鄙な場所だし、彼らはあからさまに出所したばかりって顔をしてるし、家には足になる車一台もないんだ。君のお母さんがあんなに可哀想な状況だって聞いて、私が行かないわけにはいかないだろう?」
「それに私も実際に見てみたかったんだ。彼らがこの半月間『痛めつけられて』、生まれ変わったかどうかをね。意外と悪くなかったよ。兄弟二人ともずっと大人しくなってた。特にあの厄介者は、道中でお母さんに一度も暴言を吐かず、食べ物や飲み物を渡されたら『ありがとう』と言えるようになってた」
「家に着いたら、あのお婆さんが罵りたくて発狂しそうになったけど、彼はむしろお婆さんを怒鳴りつけて『いい暮らしに飽きたのか?飽きたなら田舎に帰れ、もう二度と来るな!』って言ったんだ。こんなに効果があるとわかっていたら、もっと早く彼を送り込んでいたよ!」
夏目初美は少し驚いた様子で言った。「この半月は本当に効果があったみたいね。大人しくなっただけじゃなく、完全に生まれ変わったみたい。ただ、どれだけ続くかしらね?」
しかしすぐに笑って続けた。「一年や半年は大丈夫じゃないかしら。私が知る限り、あそこに入ると、体だけでなく精神も大きなダメージを受けるから。常習犯でもない限り、心に傷を負って、長い間ビクビクしてしまうものよ」
双葉学明は言った。「とにかく初美は気にしなくていいよ。私が常に注意を払っておくから。私から電話がなければ、何も問題がないってことだ。じゃあ、休ませるね。希耀にもよろしく伝えておいて。切るよ」
傍らにいた工藤希耀は急いで笑顔で言った。「二叔父さん、こちらこそよろしくお願いします。時間があったら神戸市にお茶を飲みに来てください。あるいは家族全員で遊びに来てください。前回の賑やかさは、私と初美がまだ覚えているくらいですから」
甥と叔父がさらに二、三言葉を交わした後、夏目初美はようやく電話を切った。