工藤美咲は永谷姉さんが差し出した銀耳のスープが透き通った白色で、なつめやピーナッツ、クコの実などが彩りを添え、とても美しいのを見た。
何より大切なのは、永谷姉さんの言葉が心の底から嬉しくさせてくれることだった。
美咲は笑顔で永谷姉さんに二つの紅包を渡し、「お疲れ様、永谷姉さん。その言葉、ありがとう。兄と義姉は必ず末永く仲良く、早く子宝に恵まれるわ!」
夏目初美と大江瑞穂が顔を見合わせて微笑むのが見えた。
わずか数ヶ月で、以前のあの我儘で頑固なお嬢様がこんなにも明らかに変化し成長したなんて、本当に素晴らしいことだ!
初美たち三人が銀耳のスープを食べ終わると、工藤家の運転手が工藤家の本邸から伸長ロールスロイスを運転してきた。
三人は永谷姉さんを呼び、一緒に階下に降りて車に乗り込み、栄ホテルへと向かった。
栄ホテルの大統領スイートに到着すると、メイクアップアーティスト、スタイリスト、その他のスタッフたちがすでに待っていた。
初美たちが到着すると、全員が笑顔でお祝いの言葉を述べ、紅包を受け取った後。
それぞれ忙しく動き始めた。
初美は今日の花嫁として、もちろん彼女のメイクとスタイリングが最も重要だった。
すぐに大勢の人に囲まれ、メイク台に座らされ、ヘアセット、細部の修正、メイクアップ...と進められた。彼女は心の準備をしていたつもりだったが、それでもほとんど目が回りそうになった。
瑞穂と美咲は息を呑んで見ていた。「やっぱり美しさには代償が必要なのね!」
「私が将来結婚するときは、全部シンプルにしようかしら...でも一生に一度の大事な日だから、少し大変でも価値があるのかも?」
しかし二人もブライズメイドとして、同様にメイクをして衣装を着替える必要があり、すぐに感慨に浸っている暇もなくなった。
忙しくしている間に、林田愛子と久山葵が到着した。
初美を見るなり笑顔で言った。「私たちの花嫁さん、今日は本当に綺麗ね!」
「これが従姉が後で着るウェディングドレス?まあ、なんて素敵なの。こうして掛かっているだけでも目が離せないわ。従姉が着たら、ドレスが美しいというより、人がもっと美しくなるんじゃない?」